【映画⑰】 13時間ベンガジの秘密の兵士
マイケル・ベイ監督による実話に基づく問題作。2012年9月11日、テロリストによりアメリカ領事館が襲撃され、その圧倒的な力を持つ敵からCIAを守るため任務についた6人の元軍事工作員の精鋭たちの姿を追う。
マイケルベイ監督と言えば、「ザロック」「アルマゲドン」「トランスフォーマー」といったそうそうたる作品で有名な方!
しかも実話に基づく作品ということで楽しみにしておりました。
【ここからネタバレ注意!】
舞台はリビアのベンガジ。カダフィ大佐で有名になった国で記憶に新しいです。
カダフィ政権が倒れた後も政情は不安定でのちにイスラム国の拠点になったりと、素人から観ても大変な国です。
そんな国に秘密裡とはいえアメリカの大使館があればよくない感情を持つ組織もあるのは必定。
にもかかわらず完全な武装護衛は6人だけといった状況で始まります。
嘘のような本当の話で、その6人と保安職員数人で援軍が来るまでの13時間CIAの職員を守り抜きます。
徹底した連携と配置で籠城し耐え抜く。
いつ襲ってくるかわからない恐怖。
味方の現地民兵組織と敵の区別がつかない恐怖。
弾に当たる恐怖以上のいつ誰に銃を向けられるかわからない恐ろしさを特に描いていたように思います。
さらに気になったのがCIA職員たち。
ただ守られるだけでなく、友好関係にある現地の民兵組織に連絡をしたり、必死にバックアップします。
とにかく生き残るために必死であきらめないこころが大事なんですね。
敵が迫撃砲で攻撃してくるシーン。
迫撃砲は精度が悪く、どこに落ちるかわからないため火力としては微妙ですが、それでもあのヒュルルル・・・という特有の音と上から落ちてくる恐ろしさは精神力を削られます。
(数発が天守閣に命中して女中が命を落としたことで、豊臣秀頼はショックを受け降伏を決断したとか・・・)
殉職した兵士、そして敵の民兵組織兵両方に家族がおり、その恨みから復讐の連鎖につながる・・・。
それが分かっていても、家族の無念を晴らさずにはいられない。
そしてまた戦闘が起きる。
そんな不条理さともどかしさ、それでも憎みあわずにはいられない状況はどうにかできないのか・・。
そんなメッセージが伝わってくるよい映画でした。