【映画⑭】1917 命をかけた伝令
第一次世界大戦真っ只中の1917年のある朝、若きイギリス人兵士のスコフィールドとブレイクにひとつの重要な任務が命じられる。それは一触即発の最前線にいる1600人の味方に、明朝までに作戦中止の命令を届けること。この伝令が間に合わなければ味方兵士全員が命を落とし、イギリスは戦いに敗北することになる――。刻々とタイムリミットが迫る中、2人の危険かつ困難なミッションが始まる・・・。
監督はサムメンデス。「アメリカンビューティー」「ロードトゥパーディション」「007」シリーズで有名な方です。
【ここからネタバレ注意!】
撮影方法がワンカットと聞いていて、
そこに釣られて観たところもあったのですが、
ぶっちゃけそんなのどうでもよくなるくらい面白いです。
数多くの戦争映画を観て来ましたが、ここまで心に響く映画は久しぶりでした。
思いつく限り魅力を上げていきたいと思います。
①銃撃戦シーンがほぼない
戦争映画なのに撃ち合うシーンがほとんどありません!
主役の任務は伝令なので極力戦闘を避け、ひたすら狙われながらも走ります!
②敵のドイツ軍がほとんど映らない
基本ドイツ軍が撤退した場所を走るので、残党兵しかいません。
でもどこから出てくるかわからない緊張感が常にあります。
部屋に入ったら隣にいたり(笑)
③静と動のバランス
急いでるとはいえずっと走っているわけではありません。
基本徒歩や警戒しながらの移動なのですが、急に敵に出くわしたりするとダッシュで逃げます。
ゆったりしていたと思ったら突然走る。
ハラハラ感が止まりません!
④詳細な描写
ポスター中央の主人公ともうひとり伝令がいたのですが、彼は途中命を落としてしまいます。
その彼が好きだった桜の花がふと舞っており、くじけそうな主人公がその花びらを観て勇気を取り戻します。
その花の美しさと言ったら・・・。
他にも
・流れの激しい川の流木にたまっている民間人と兵士の遺体
・有刺鉄線に刺さっている兵士の遺体
・破壊されたAV7
(こんな形の戦車)
真っ最中の戦線ではなく、戦闘後の描写が特に生々しく感じました。
そして最後にはなんとか伝令を伝えることができたものの、それを聞いた大佐の言葉
「来週には別の命令が来るのだろう・・・」
任務を全うした伝令を成果をただたたえるだけでは終わらず、戦争の不毛さ、前線の苦悩等、すべてのシーンに無駄のない練りに練って作り上げられた傑作でした!
ちなみにポスターのカット。
主人公がひとり前線を歩くシーン。
マジであります(笑)