【映画⑤】孤狼の血
暴力団対策法成立前の1988年(昭和63年)の広島を舞台に、暴力団系列の金融会社社員の失踪事件を追う刑事たちの姿や、暴力団組織間の激しい抗争を描いた作品。
対立する暴力団の間に入り込み構想を阻止するためならなんでもする刑事の役所広司とエリート若手刑事の松坂桃李を中心に物語が進みます。
【ここからネタバレ注意!】
監督が白石和彌さんということだったので、かなり覚悟して観ていました。
やっぱり想像通り・・・・
面白い
そして過激
広島弁の応酬も相まってとにかく強烈でした。
登場人物たちのこれでもか!といった人間臭さが最高です。
なんでもありなようで一本筋のある悪徳警官 役所広司さん
そんな役所さんを軽蔑しながらも次第に影響を受けて、最後は遺志を受け継ぐ 松坂桃李さん
自分の利益のために共犯となった ピエール瀧さん
ヤクザとしての筋を通し、しかし最後は駒にされた 江口洋介さん
狂気に満ちた演技が秀逸だった 中村倫也さん
他にもいろいろな方がいましたがみんな己を貫くさまは、恐怖を覚える反面魅力的にも見えました。
この映画、残酷なシーンが結構でてきます。人が苦しみぬいて死んだり、あがきもがくさまは観ていて残酷で不快に思う人もいるかもですが、私は観るときにこれも人間の一面だととらえてみています。
生きていく以上きれいごとだけでは済まされない。
人間の醜い部分、だれにでもあるような人間の本質に触れることができて、とにかく記憶に残る作品でした。